根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

78.セラミックを全面的にはずして治療後にやり直す方が、痛みから解放されるのであればそうしたいと思います。

【Question 78】

左の5番の上の歯が根っこに膿がたまり、4か月ほど薬を入れて治療していたのですが、症状がよくならないため、抜いて矯正を勧められました。痛みもないのでできれば抜きたくないのですが何か方法はありますか?菌のせいで、レントゲンを見ると骨もなくなっていると言われました。この膿は横の歯にも広がりますか?
左の下の6番の奥歯も銀歯をとって根っこの治療をしていますが、薬を入れられてかなり痛みます。痛みどめと化膿止めをだされました。治療を始める前までは痛くありませんでした。このまま治療を続けていいのでしょうか?宜しくお願いします。

【Answer 078】

根管治療.com の新藤健太郎です。

早速ですが本題に入ります。

左の5番の膿はとなりに移ることはありませんが、大きく骨が溶けると、隣の歯の周囲組織(骨など)まで進む場合もあります。
歯周病と合併していなければ、それほど心配することはないと思います。
歯を残せるかどうかはやはり歯内療法、根管治療を得意とする先生に診察してもらう他ありません。

歯並びが悪く、矯正目的で小臼歯を抜歯したほうがいい場合は、状態の悪い歯を抜くのが基本です。
逆に矯正を希望していないなら、左の5番を抜かない方法を探るべきでしょう。

左の下の6番の奥歯は、治療をきっかけに痛んでいるので、ある意味では医原性の痛みです。医原性の痛みは止むを得ない場合もありますが、根管治療を正しく行っていないために起こることも多いです。
治療の必要性がなさそうな歯の根管治療を行い、元より悪くなっているケースはよくあります。
(今回の歯が治療の必要があったかないかはわかりません。担当医は治療が必要と判断なさったのでしょう)
根管治療の方法が、原則を踏まえているか、あるいはグローバルスタンダードに沿っているかを判断することは患者様には難しいです。

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