根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

309. 左下奥から二番目の歯に治療器具(リーマ?ファイル?)の先端が折れて残ったままになっております。

【Question 309】

お忙しいところ失礼致します。
ご意見を伺えればとメール差し上げました。

左下奥から二番目の歯に治療器具(リーマ?ファイル?)の先端が折れて残ったままになっております。以来、二十数年、過去に都内の大学病院等で治療を行い、半永久的な薬を詰めていますが、時に疼いたり重痛かったりで、すっきりしない状態の箇所となっています(歯科医によれば、普通ではない歯なのでこれ以上はどうしようもないとのこと)。器具の除去は出来ないようですが(現状)、今回、こちらのサイトや他の根幹治療を行う歯科医のサイト等を拝見して、器具の除去もできるような時代になったのかと思っているところです。

そこで本題ですが、私はいわゆるオープンバイト(開咬)でして、上下の歯の間が開いています。過去に、やはり大学病院で矯正のための検査を行いましたが、その歯のせいで、完璧な治療は望めないということで治療を断念、現在に至っております。

が、ここへ来て、老化のせいなのか、症状が悪化したのか、顔が変形したのか定かではないですが、咀嚼に支障を感じるようになり、当時に比べれば技術も進歩したに違いないと、矯正治療を考えているところです。このままですと奥歯に負担がかかり続け、将来的に入れ歯やインプラントになるのでは?という不安もあります(入れ歯はまだしもインプラントは絶対不可です)。

そこで、いくつかの専門医に相談をしてみたところ、通常の歯ではないので、チーム医療のできる大学病院にかかるのがよろしかろう、との見解をいただきました。

これはすなわち、器具を除去した上でしか矯正はできないということになるのでしょうか。
逆に言えば、器具の埋まった歯を抱えている場合は、矯正治療をしたとしても上手くはいかないのでしないほうがいいということになりますか。

是非、ご意見をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。

 

 

【Answer 309】

根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

まず、今の痛みが左下奥から二番目の歯の根管治療が原因かどうか判断する必要があります。
オープンバイトのため、臼歯の負担が大きく、咬合性外傷の疑いはありませんか?

根管治療が再度必要と判断される場合でも、緊急性が少なければ、先に矯正を進める方針も考えられます。

ファイルの除去は難しく、返って歯を薄くしたり、ファイルが歯の外に飛び出るリスクをはらみます。
リスクを取ってでも、ファイルを取る必要があるか診断する事が重要です。

 

 

 

195.根の先端が曲がってる!とのことで、そのままにされてた所です

【Question 195】

右上5本目の歯茎から血が出て歯医者に行きました。膿が出てる!とのことでした。その傷口に細い針のような物を刺してレントゲンを撮りました。15㎜くらい刺さりました。歯の根に膿がデキ、そこから道(パイプ)が出来出血してるとのことでした。歯を叩いても痛みはありません。同じ歯医者で数年前根の先端が曲がってる!とのことで、そのままにされてた所です。このまま同じ歯医者で良いでしょうか?又、保険治療はないのですか?よろしくお願いします。

【Answer 195】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。

早速ですが本題に入ります。

根の先端が曲がっていて治療が十分にできなかった歯に根尖性歯周炎が起こっているのですね。

根管が曲がっているケースでも技術のある先生だと、根尖まで器具が到達できる場合もあります。

通常の根管治療で治らない場合は外科的歯内療法を行います。
どちらも保険診療で行える治療です。

同じ先生でいいのかどうかは判断できません。
高いレベルの診療を求めるなら専門医を選んだほうが無難です。

188.根の先端が曲がっており治療できません

【Question 188】

こんにちわ。以前7月に相談メールを送らせていただきました。
もう一度、よろしくお願いします。

7月に相談させていただいた続きというか同じ歯の事です。

昨年の10月左上6番を抜髄し今年の4月に根充をし5月に土台を入れました。ですが、打診痛は消えず…。歯磨き時も舌で押しても痛みがあります。

先生に相談をさせて頂き転院をしてみました。

転院先の歯科医院でレントゲンを撮影していただいたところ先生のご指摘通り『残髄』でした。1根だけです。影もあるそうです。でも、もう再根管治療はできないと言われてしまいました。根の先端が曲がっており曲がっているところの1ミリか2ミリくらい神経が残っているそうです。根充もしてて曲がっている根に対して真っ直ぐに治療されているため曲がっている部分に何度、器具を入れようとしても真っ直ぐにしか入っていかないので残っている神経はもう抜けないという説明でした。

残された治療法としては『噛んで残っている神経が死んでくれるのを待つ』か『残念ながら抜歯』しかないと言われました。とても悲しかったです。さすがに落ち込みました。

今は仮歯をいれていただいて噛んで神経が死んでくれるのを待っている状態です。

そこで相談なのですが実際にレントゲンを見ていないのでわからないとは思いますが先生も同じ答えになりますか?顕微鏡を使った治療でもやはり同じ答えでしょうか?

お忙しいのに何度も相談させていただき申し訳ございません。
先生のご意見が聞きたくメールをさせていただきました。

文章を書くのが苦手な為、長文になってしまい申し訳ございません

【Answer 188】
こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。

根の先が曲がっていて治療できないようですが、このようなケースでは、顕微鏡を使うか使わないかというよりは、
根管形成の技術や、手先のテクニックが重要となります。

打診痛の原因は、その残髄の個所とは限りません。
根尖まで治療できているところが原因の可能性もあります。