根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

131.大学病院か開業医院か

【Question 131】

数年前奥歯の神経を抜きましたが、治療中なかなか無痛状態にならず、担当医から歯根にひびが入っているのではないかと言われた。症状に変化が無かったのでそのまま補綴。その後特に大きな問題は無かったが、1年後に歯茎から膿がでて歯茎がはれたが暫くして回復。以後年2~3回程度、歯茎がはれ、その度にオラセルという薬をもらって対処。根管治療の失敗だと思いますが、どこで再治療を受ければ良いか悩んでいます。Internetで調べるとラバーダムや顕微鏡を使用する歯科医が見つかりますので、自由診療で高額ですがそちらにお願いした方が良いでしょうか?または近くの大学病院(神奈川歯科大、鶴見歯科大)の方が良いでしょうか?現在の担当医は抜歯しかないといっていますが、奥歯を失うのは何とか避けたいので、アドバイスをお願いします。

【Answer 131】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

大学病院は基本的に保険診療でしょう。
治療費が安い反面、営業時間が短く、担当医は誰に当たるか分からない(多くは若い先生)
個人の医院は根管治療を自費診療で行っていることが多い。

私は以前大学病院にいて、今は開業医ですが、技術も責任感も勤務医時代より随分高い気がします。
歯科治療は誰が上手に治療してくれるか分からないので、設備などに目が行きがちですが、
もっとも大事なのは治療を行う人間です。一番大事な部分が見えにくいので、良い治療を受けるのは難しいのです。

120.根管治療の再治療のリスクと大学病院の問題点

【Question 120】

5~6年程前に奥歯の根管治療をしました。治療を終えオーバー充填による圧迫感を感じていましたが、治療中にも掃除器具を奥に入れすぎ、2~3日顔が腫れるということがありました。先生に話したところ、少し触ったんだねとあまり意に介さない態度でいたことから、このオーバー充填についても、いずれ落ち着くだろうと期待し、金管を被せてもらい治療を終えました。
治療後も圧迫感と腫れた感覚は変わることなく続いていましたが、1年程前からは歯茎を破って膿みが出てくる状況に至り、再治療を行なっています。
当時6万円程の自費負担で金冠を被せましたが、今回も8万円程掛かるとのことです。又、私が払わなければいけないかと思うと、どうも納得がいきません。運が悪かったと諦めて黙っているべきでしょうか。
某大学病院での治療ですが、当時の先生は既におらず、今別の先生が治療をやってくれています。ようやく根管治療が終わり、この後、コアの形成や型取りなどを行う予定です。

【Answer 120】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

①根管治療の再治療のリスク
すべての根管治療を行った歯には再治療もしくは外科的歯内療法、あるいは抜歯が必要になるリスクがあります。
前医の治療に問題があったか、歯そのものに問題があったかは不明です。
今回は再治療でもありますし、一般的に再根管治療の成功率が一回目の治療より劣ることを考えると、リスクはさらに高い。
②大学病院の問題点
自ら開業していない大学病院の先生は責任感という意味では、開業医で看板を背負っている先生に比べ低いかもしれません。
また、担当医も代わることが多いため、治療方針が変更される場合も多いです。

個人病院なら治療費も多少融通が利くかもしれませんね。大学病院で治療費の苦情を言っても、返金されることはないでしょう。
根管治療が保険診療でしたら、被せる物は保険診療も選択できます。根管治療が自費診療の場合は被せる物は自費診療になります。

以上です。