根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

248.取りきれない根充剤が残っていて、それに反応しているのだろう

【Question 248】

お忙しいところ、ご相談させていただき恐縮です。

去年12月初め、右上1番の拍動痛の為、抜髄しました。
一週間後の次の受診時に根充(ラテラル)したところ、処置時かなりの痛みがありました。
その晩激痛が出て、翌朝歯の根元が腫れました。
一週間様子みましたが、腫れが引かず、根充剤を除去しました。
にもかかわらず、腫れがとれず、今年2月に3Dレントゲン検査したところ、根充剤が残っていたため、それを除去し、痛みはだいぶ落ち着いたものの、腫れは良くなりませんでした。

4月に少し根管を拡大したら痛みと腫れがひどくなりました。
医師は取りきれない根充剤が残っていて、それに反応しているのだろう、自然に吸収されるはずだが、あと1~2カ月様子みて、治まらなければ歯根端切除をすすめられました。
通っているのは大学病院の歯内療法科です。
一度だけマイクロスコープを使いましたが、ヒビはないそうです。
根充の薬がジャストで入っているので、マイクロスコープでも取りきれないそうです。
最近は洗浄しただけでも痛みが出るので、なるべく刺激にならないように、生理食塩水で洗浄しています。

私は、胃腸が弱く、胃薬併用しても鎮痛剤や抗生剤をあまり続けられません。
この状態であと1~2カ月様子みるのが不安です。
転医も考えましたが、もし充填剤(ユージノールではないかとのこと)や洗浄剤に反応するのなら、転医しても良くなるどころか、かえって悪化したらどうしようと悩んでおります。

お忙しいとは存じますが、何卒、ご助言お願いいたします。

 

【Answer 248】

根管治療.com の新藤健太郎です。早速ですが本題に入ります。

痛みの原因は明らかではありませんが、
「取りきれない根充剤が残っていて、それに反応しているのだろう」
ということが事実であれば、外科的歯内療法で対応するのがいいでしょう。
歯根端切除術という手術になります。
逆根管充填を行い、その際、生体親和性の良いMTAセメントを使用するといいでしょう。

ヒビが根尖から始まるケースもあり、その場合も歯根端切除術が適応となります。
http://www.konkanchiryou.com/page/02surgery.htm
http://www.kenico.chew.jp/3mix/mta/55/

 

 

 

 

82.根充剤を除去しようとしたところ2mmほど根尖からでてしまいました。

【Question82】

根尖がひらいている上顎の3番の根充をしたところオーバーしていたので症状はなかったのですが根充剤を除去しようとしたところ2mmほど根尖からでてしまいました。

現在少し鈍痛がでてきています。

どうするのが一番いいでしょうか?

宜しくお願いいたします。

【Answer 082】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。
症状がなかったのに根充したものを取り除こうとしたのは早計だったと思います。
飛び出てしまった根充材料を取り除くのは外科処置になってしまうので、しばらく様子たほうがよろしいかと思います。
時に顕微鏡で覗きながら、歯の中なら取ることができる場合もありますが、確実ではありません。

数ヶ月様子を見て症状が悪化するようなら、顕微鏡で覗きながらとってもらうか、外科処置をお勧めします。