根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

239.1年以上通って、根管充填の不備があるのは不幸ですね。

【Question 239】

左上6番の根菅治療後、充填から土台を入れたが、土台を入れたところで違和感を感じた。
仕事などに集中していると忘れる程度だが、ピリピリとした痛みも感じる。しみる感じもする。

2011.10~現在まで約1年5ヶ月、ずっと同じ医院で左上6番の根菅治療を継続しておりました。
きっかけは、デンタルフロスにて歯間清掃の際、以前治療した被せが取れたため。
「根っこが腐ってます」と言われ、よくわからないまま根菅治療を開始しました。

2012.01に一度土台を入れましたが、直後から違和感を感じ、我慢できないようなイライラした感じがしました。
1ヶ月様子を見ましたが、綿を噛んでみると痛みがあったため、再治療に入りました。
11ヶ月経った2013.01に再度土台を入れましたが、やはり違和感がありました。

長引く痛みと2度の土台入れと心配になり、2件の根菅治療専門のお医者様をネットで探し相談に行きました。

1件めの先生の所見では、左上6番は3根あるがそのうちの2根しか根菅充填されておらず、当該歯の根の先に黒い影が見られる、とのこと。
この影がこれからよくなっていくのかどうかは、経過を見ていないので不明。
2根しか充填されていないことから再度根菅治療を行う意味はあるが、根菅治療しても、私が感じている違和感といのはは改善できないかも知れない。
理由は当該の歯の外側のスポットが5ミリあり、そこから出血もあることから、虫歯や歯周病、もしくは隣の歯など、他の原因の痛みかも知れないため。

通院のきっかけ等のお話ししましたら、「本人が痛み等を感じていないならば通常は根菅治療をしない」、と言われまして、
必要のない治療をされていたのでは?と不安になりました。

2件め、レントゲンを撮って見ていただくと、2根しか根官充填がされていない、根の先に影があるというのは、先の専門医と同じでした。
根の先の影は、「膿が出切れていない」とはっきりとおっしゃってました。しかし、痛みが強くないことから再治療せず、このまま被せることをお奨めされました。
根菅治療は行ってもよいが、1年5ヶ月もの長期間の治療と、根官治療が今度で3回目であることから、歯が相当薄くなっていることが予想され、
治療中に歯にヒビが入ったり割れたりするリスクがあるので、よく考えてリスクを承知で来て欲しい、とのこと。
「治療しない方がいい」とはっきり言われたことにショックを受けました。1週間ほど、このままの生活をずっと行っていくことができるのか考えましたが、
イライラする感じと、しみることに不安を感じます。

【Answer 239】

根管治療.com の新藤健太郎です。早速ですが本題に入ります。

現在→仕事などに集中していると忘れる程度だが、ピリピリとした痛みも感じる。しみる感じもする。
歯の現状→1根管が充填されておらず、根尖病巣がある。

基本的に、しっかりした根管治療がなされている状態で痛みがある場合は、経過観察でも良いと思いますが、
治療に明らかな不備がある場合は、再治療を行うべきだと考えます。

1年以上通って、根管充填の不備があるのは不幸ですね。

しかし、金属の土台が深く入っている場合などで、除去に伴うリスクが高い場合などは、再治療を行うリスクが高いため
迷うところですね。

歯が相当薄くなっていることが予想され・・・と2人目の先生もおっしゃっているようなので。