根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

175.化膿止めを飲めば、痛みは治まっていくものなのでしょうか?

【Question 175】

現在、左上6番の歯の神経を抜いて、根幹治療中です。

歯の痛みが治まらないので、主治医に相談したところ近くの歯に虫歯があってそのせいだろうとの事。
周りの歯を金属の棒でたたいてもらって、左下の親知らずがかなり傷んだので、昨日抜歯しました。
左上6番の歯は叩いても痛くありませんでした。

抜歯後の痛みは本日は治まっていたので、もう大丈夫と安心していたのですが、やはり左上6番の歯のあたりが痛みだし、本日主治医の先生にみてもらいました。

どの歯を叩いても、やはり痛みはないのですが、話をしたりするだけでも痛みがあることがある(話せなくなるほど)ことを主治医に伝えると、虫歯はないけど・・・と言われ、左上6番の歯付近の歯ぐきを押えると激しい痛みがありました。

このことから、化膿しているのだろう・・・といわれ、化膿止めをもらい、しばらくは痛みを我慢するしかないと言われました。

そこで質問なのですが、
・化膿しているだけで、こんなに痛みがあるものなのでしょうか?
・化膿止めを飲めば、痛みは治まっていくものなのでしょうか?

現在、妊娠7カ月目で、食事も満足に取れない状態で、不安です。
このまま改善されなければ、抜歯してインプラントにした方がいいのかも…とおもっていしまいます。

先生の意見を伺えると幸いです。よろしくお願いいたします。

【Answer 175】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。

> ・化膿しているだけで、こんなに痛みがあるものなのでしょうか?
> ・化膿止めを飲めば、痛みは治まっていくものなのでしょうか?

根幹治療している歯が化膿している様子ですね。
膿みが内部にたまっている状態(風船が膨らんでいるイメージ)から膿みが外に出ると 痛みは大分和らぐはずです(風船がしぼむイメージ)。
膿みが内部にたまっている状態では、化膿止めの薬はあまり役に立ちません。
膿みを出す、それから、根管をよく消毒し、膿みの発生を抑える事が重要です。

174.最終薬をいれてもらってから3週間ほどして右のコメカミと右耳前にすごく強い頭痛を発症

【Question 174】

先生初めまして。
根管治療で検索しているとこちらの相談コーナーを見つけました。30代女性です。

右上奥歯(親知らずの前 親知らずは抜歯しています。)1年と2カ月前から根管治療を行って 今日まで痛みで悩んでおります。最初は3mixで根の保存する治療を行いました。3週間ほどおこないましたが、激痛が毎日続き 根を除去し根管治療を始めました。
しかし週に一度歯科へ通い3mixを投与してもなかなか痛みがおさまらないなか4カ月して痛みが一時なくなったので、最終薬をいれました。しかし、激痛ではなく 何もしていないときに 歯がうくような少し痛むような違和感を感じ再び根の治療を再開してもらいました。
その時歯医者さんは「少し薬を入れるのがはやかったかなとも思う。」とおっしゃいました。
その後も治療は続きそれから6カ月経ちやっと痛みが一時的(1週間)にひいたので 最終薬をいれてもらいました。2週間ほどはよかったのですが、食事している時痛みを少し感じ 最終薬をいれてもらってから3週間ほどして右のコメカミと右耳前にすごく強い頭痛を発症し、歯科で診てもらいました。レントゲンをとっても異常なしなので、かぜでしょうととりあってもらえず。

他の歯科でセカンドオピニオンで診てもらいました。
レントゲンでみても異常はないが 実際になかをあけてみないとわからないということで 再度 根管治療をやりなおしてもらいました。
それが今年の4月です。
それからもう7月になりますが 痛みが続きます。
今は 何もしていなくてもずきずき痛み ものは噛めない状態です。根の治療で薬を入れると痛みが毎回でる感じです。

並行して顎付近がいたくなり顎関節症と診断されました。
顎の痛みと奥歯の痛み どちらが原因で悪い状態が続いているのかは
わかりませんが・・・

お忙しいなかお手数をおかけいたしますが、専門家のご意見をお聞かせください。先生のお力をお貸しください。
よろしくお願いいたします。

【Answer 173】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。

早速ですが本題に入ります。
まず重要なポイントは、根管治療を行った歯の炎症が治まっているかどうかです。
レントゲンで問題が無く、再治療がしっかりできていると仮定すると、次に疑うのは慢性痛です。

慢性痛の場合は、痛みの経過が長いため、炎症が治まっていても痛みだけ続いている場合もあります。

また、慢性痛の中には関連痛というものがあります。
関連痛とは「ある部位の痛みを異なる部位の痛みと脳が勘違いをすること」です。
http://xn--v6qp5bu1pjtqgubwx0axs5c.com/?p=73

従って、顎関節症、あるいは頭痛との痛みの鑑別が必要です。
歯科口腔外科、脳神経外科などでも見てもらったほうがいいでしょう。