根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

321. 弱っているけれども完全には死んでいない神経は、弱って行くのを待つしかないのでしょうか?

【Question 321】

> クラウン予定の歯があります。
> 仮歯を入れた後、病気などにより5ヶ月そのままの状態でした。
> その歯に違和感を感じたため(たまに軽く痛みがあり、噛むと歯に負担がかかっている感じがあります)受診しました。
> 先生のお話によると、放置していたため神経に影響があり、神経を抜かなければいけないとのことでした。神経が生きているかどうか検査したところ、まだ少し生きているようです。
> 私からすれば、少しでも生きているのであれば何らかの処置をしていただいて、それでダメなら諦めもつくのですが、もう一ヶ月何もしていません(神経の処置も)
> このように、弱っているけれども完全には死んでいない神経は、弱って行くのを待つしかないのでしょうか?
> お忙しいところ申し訳ないのですが、専門医のご意見がいただければ有難いです。

 

【Answer 321】

根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。
歯が歯髄炎になっていなければ、歯髄を救うことがもしかするとできるかもしれません。
しかし、大臼歯の場合、神経が生きているかどうか判定する事は時に難しいです。
部分的に生きている場合なども存在するからです。(=部分的に死んでいる)。部分的に死んでいる場合にも抜髄が適応となります。

このまま放置するより、念のため他の先生の診察も受けたほうが良いと思います。抜髄が必要な場合は、早めに行ったほうが成功率は高いです。

 

 

 

310. そもそもどういう場合に根管治療が必要になるのでしょうか。

【Question 310】

右下の歯の隙間が大きくなって食物が詰まるので、
今日歯科に行ったところ、虫歯であり、根管治療が必要だと言われました。
確かに食べ物が詰まると恐らく歯茎が圧迫されて歯茎が痛くなるのですが
歯自体は痛くありません。(C2レベル?)このサイトを見て、何とか神経を残した治療ができないかと考えるようになりました。そもそもどういう場合に根管治療が必要になるのでしょうか。
よろしくお願い致します。

 

 

【Answer 310】

根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

歯髄保存治療では、虫歯を取り除き、セメントで蓋をして、歯髄炎にならないかどうか経過を見ます。
その結果、痛みが出たり、冷水痛が強く、生活に支障がある場合には、歯髄を残せないと判断し、抜髄治療を行います。逆に歯髄を残せると判断する場合は、修復治療を行います。

http://www.kenico.chew.jp/3mix/

 

レントゲンで、虫歯が歯髄に明らかに近く、歯髄炎が予想される場合には、歯髄保存を試みず、抜髄治療から始める場合もあります。
虫歯の深さも重要ですが、どの部位に発生しているかも考慮します。例えば、歯と歯の間からできる虫歯は、比較的浅くても歯髄に到達してしまう場合があります。

 

 

 

 

280.歯髄の炎症と抗生物質について

【Question 280】

1か月前に、歯のチェックとクリーニングにいくと、虫歯が見つかり、いつもの普通の虫歯のように削って、詰めて治療が終わりました。それまで、この歯は、全く何の痛みもなく、口の中は、いい状態で、自分では、虫歯であることさえ気がつかない状態でした。

と ころが、今まで、このような経緯で、麻酔の注射も必要なくいくつもの虫歯の治療をしてきましたが、今回の虫歯の治療だけは、治療中のときから、今までとは 違う何かを感じていました。今までの治療とは何か異なるようなことをされてしまった、削っていけないところまでを削られたような感じがあり、治療中にも、 そのことを感じ、また、詰め物をした直後にも、鋭い痛みを感じたため、何かおかしいと不安でした。先生に伝えても、問題はないということでしたが、
やはり、その後、今まででは、ありえないような虫歯治療後、異様な痛みがでてきてしまいました。

この虫歯治療のために、歯髄がダメージを受けたようで、通常では、今まで通り治るものが、逆に、悪化してしまったようで、こんな虫歯治療ならば、しなければよかったと悔やんでいます。が、深めの虫歯だったようなので、ミスなのか、しかたがなかったのかは、わかりません。

1 週間後、嫌な鈍痛が続き、痛みがひかなく、冷たいものもしみるので、みてもらうと、知覚過敏なので、心配する必要はないということで、薬を塗ってもらいま したが、痛みは、激痛に変わり、その歯にふれるだけで、痛むようになり、食べることも寝ることもおっくうになっています。再度、診てもらうと、歯髄が炎症 をおこしているようなので、とりあえず、抗生物質と鎮痛剤で様子をみるということで、現在、服用中です。痛みは、今のところなんとかおさまり、眠ることは できるようになりましたが、鈍痛があり、薬をのまないと、痛みがすぐにもでてきそうで、おかしな感じです。冷たいものも熱いものも、しみるというよりは、 それらの刺激を不快にどんよりと感じるといった感じです。かむと痛いので、普通に食べられません。

元来、神経をとる必要もなかった歯が、 不適切な治療によって、虫歯菌によるものではなく、神経がダメージを受けてこのようになってしまったようにも思われとても残念(泣)なのですが、このよう な炎症は、抗生物質の投与により、治り、神経を残すことはできるのでしょうか?(治療前の元のようにもどりたいのですが。) それとも、残念ながら、根管 治療の対象になってしまうのでしょうか? 薬がきかなくなり、痛みが増してきたらとおびえてもいますが、どうすればいいのでしょうか?

痛みがなくなると、神経が死んでしまったということになり、そこから、治療が始まるのでしょうか?それとも、今後のことを考えると、神経が生きていても、治療をすぐにでも、始めた方がいいのでしょうか?

今まで、虫歯の治療で、このようなことがおこったことがなかったので、途方にくれております。 長くなり、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

 

 

【Answer 280】

根管治療.com の新藤健太郎です。早速ですが本題に入ります。

メールの調子が悪く、今回はメールでのお返事ができなかったので、この場でお返事申し上げます。

お痛みの状態から、痛みの有る歯は歯髄炎になっていると思います。

抗生物質の投薬は歯髄炎には効き目がありません。また、抗生物質を用いる3MIX療法も歯髄炎には効きません。

今の状態は、既に歯髄炎から歯髄壊死に以降している可能性があります。

いずれにしても早めに根管治療を行った方が良さそうです。

 

 

 

197.打診痛もありこのまま今の医院で治療を続けて良いものか不安です 

30年程前に抜髄した左上4番の歯が、クリーニング後に痛みが出たため根管治療を受けています。1回目の治療後、歯グキの痛みがひかなかったため抗生物質を3日間服用しましたが完全に痛みは取れませんでした。その後再度同じ治療をしたところ、前回より痛みとハレがひどくなってしまいました。現在1週間経ちますが、痛みは弱くはなっているものの消失していません。貴HPを拝見し根尖性歯周炎を起こしているものと思います。レントゲンで根の横に黒いかげ、打診痛もありこのまま今の医院で治療を続けて良いものか不安です。先生のご意見を伺えたら思いますのでよろしくお願いいたします。 

 

【Answer 197】  

根管治療.com の新藤健太郎です。

早速ですが本題に入ります。

http://www.konkanchiryou.com/page/01genin.htm    

根尖性歯周炎の原因としては、治療中の器具の突き出しや、 ばい菌を歯の外に押し出してしまうと、状態が悪化してしまうことがあります。     今の歯科医院で治療を続けていいかどうかは判断しかねます。 今の痛みや症状が止むを得ない状態だったのか、それとも上手に治療すれば回避できたのか分からないからです。 安心を求めるなら専門の先生にお願いする他ありません。