難治化した慢性痛
歯原性の慢性痛は医原性であることが多く、原因歯に局所麻酔で消失することを特徴とする
難治性の疼痛は複雑な要因により起こる。
慢性痛の4つの原因
1. 持続的な刺激による痛み
細菌感染などによる炎症
2. 疼痛伝達に関わる神経線維の異常(神経因性疼痛)
神経に機能障害がこるとその支配領域に慢性の痛みを感じるようになる。断端痛(幻肢痛、断端神経腫)なども神経因性疼痛に含まれる。
根管治療では、歯髄内や歯周組織に分布する神経線維の傷害。根管の過剰拡大や、亜ヒ酸、パラホルムパスタなどによる神経線維の科学的損傷などで起こりうる。
3. 身体・精神的原因による痛み
全身疾患やステロイド、免疫抑制剤の服用による炎症のコントロール不能
4. 感情に問題がある心因性疼痛
痛みが持続することへの不安
Wind up現象とは・・・末梢神経の持続的興奮と中枢性感作
通常は痛みを感じない程度の刺激を皮膚に連続的に加えると、徐々に痛みを感じる。これは、皮膚に与える刺激は増加していないのに、脳に送られている信号は増加していることを意味する。
根管治療でも、痛みが持続することにより、中枢の感度が増大し、僅かな刺激でも異常な痛みを感じるようになる(中枢性痛覚過敏)。こうしたことを防ぐには痛みに対する効果的かつ早期の治療が必要である。
関連するご相談by根管治療専門医相談室
|
専門的な話題by歯内療法専門医.com
|