根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

311.唇麻痺などの後遺症がでるものなのでしょうか?

【Question 311】

> はじめまして。
> カナダ在住です。先日、急に右下奥歯から2、3本目が食べ物を食べた瞬間に痛み出し、特に冷たい飲み物を飲むとキーンとした痛みを感じました。
> かかりつけのfamily dentistにかかり、レントゲンを撮影の結果、
> 神経を以前に抜いた歯(今は差し歯)の下方に黒い影があり、感染しているとのことでした。そのfamily doctorからendodonticsを紹介され、診察していただきました。
> 先生は歯は触らずに外科的に手術してその感染を取り除くと痛みが収まるかもしれないとのことで、まず第一に歯肉切開手術とのお考えでした。それでも痛みが収まらない場合は前後の歯もふくめてあらためて診察しましょうとのこでした。
> ただその手術は唇を司る神経が感染の近くにあるために、難しく、神経を触ってしまったら、唇がたれてしまうという説明もされました。
> ただ今の歯がしみることや痛みは直接感染には関係ない、とりあえず感染を取り除いて10日間くらい様子をみて痛みがひけばいいし、ひかなければまた他の神経治療を考えましょうとのことでした。
>
> 外科的手術をすると85%という数字をおっしゃったのですが、これは痛みが治ることが85%ということなのだと思います。
>
> いまは抗生物質で痛みを抑えている状態であまり飲食をしていても痛みを感じません。
>
>
> 唇の麻痺などのことも説明され、その外科的手術をすることに不安を感じています。後遺症がとても心配です。
>
> 今の私の症状を日本語でどのように言うのかもよくわからない状態なのですが、
> その外科的手術で実際どのくらいの可能生で唇麻痺などの後遺症がでるものなのでしょうか?
> あるいは先生が50%の治る確率といったroot canalの治療をしたほうがいいのでしょうか?
> 或いは暫く抗生物質を飲んで様子をみれば感染は小さくなり、痛みも収まるのでしょうか?
>
> 手術はカナダドルで1500-2000ドルと言われました。
>
> 無事に手術が成功して痛みもなくなり感染もなくなり後遺症もないのであれば進んで手術を受けたいと思いますが、今は以上のような不安があります。
>
> 日本語でアドバイスがいただきたくこのサイトを見つけました。
> 来週木曜日手術の日程が今のところ入っています。できれば早いご回答をいただければ幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。
 

【Answer 311】

根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

基本的にroot canalを行って治らない場合に外科治療に進むのが、正しい考え方です。

もし既にアメリカの専門医のroot canal治療を受けているならば、はじめから外科でも宜しいかとおもいます。

その場合、root canalと外科治療のコストが両方で掛かる事となります。

また、外科治療には神経が近い場合は意図的再植治療という選択肢もあります。http://konkanchiryou.com/%E6%84%8F%E5%9B%B3%E7%9A%84%E5%86%8D%E6%A4%8D.html

外科的歯内療法の際に口唇麻痺が起こる確率は、文献を調べた結果わかりませんでした。

しかし、一般に、下顎の小臼歯近辺の手術であれば、比較的口唇麻痺が起こる確率は高いと考えられます。

 

 

 

 

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