根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

312.サージテル使用との事で安心して日本で保険治療したのが間違いでした。

【Question 312】

> 初めまして。
> なるべく神経を取らない治療法を探していて、こちらのサイトにたどり着きました。
>
> 3mixやMTAなどの最新治療方法の紹介をありがとうございます。
>
> 2年前に日本で行った根幹治療後の右上7番が3週間程前から痛みだしたので、現在長期滞在中のドイツの歯医者に行った所、3本中2本の神経の取り残しがあり、それが原因で冷水痛、温熱痛共に発生したとの診断を受けました。
> 根幹の再治療はこちらでもやはり難しく、最初の2件の歯医者では処置できず、(抜歯か切開を勧められました。)3件目はかなり高額な見積もりだったため、3週間経った今も、歯医者難民しています。
> そこで、以下のどこの歯医者さんへ行くのが一番完治の可能性がありそうか、を個人的な見解で結構ですので、アドバイスいただけないでしょうか。
> 1.患者一人に時間をかけ、評判もいいが、マイクロスコープがなく、めがねタイプのサージテルを使用。他に、超音波のようなマシンがピピっと鳴って、確認できるそうです。
> 2回の治療を、完治するまで時間をかけて対応してくれる。治療費は保険で賄える範囲。
>
> 2.評判も良く、インフォームドコンセプトもしっかりしていて、最新機器を使用するが高額。治療費は生活を脅かす程度。もしくはマイクロスコープを使用せずその半額。(ドイツ)
> ここでできればいいのですが、何しろ高額です。
>
> 3.マイクロスコープはなく、90分の治療と、その後1時間の治療を2,3回。3,4ヶ月に渡って観察して、炎症が治まったかまで見る治療方法。
> ここでも超音波?のマシンで調べるそうです。保険で賄える程度の金額。(ドイツ)
>
> 4.まだ主治医に会っていないけれど、メールでの質疑応答がとても丁寧で早い、ポーランドの審美歯科。2,3時間の治療とその後2〜4週間後に1時間の治療。マイクロスコープとレーザーを使用して、治療費はドイツのマイクロスコープなしの治療程。クラウンも半額。
>
> 5.それとも、もう一件ドイツで、マイクロスコープを使用する歯医者に初診で行ってみる。
>
> 以上のオプションで悩んでいます。
> 本当は一回目の根幹治療の際にこれだけリサーチできれば良かったんですが、新生児がいたもので、ラバーダム、サージテル使用との事で安心して日本で保険治療したのが間違いでした。
> 今度こそ失敗は許されないと思うと、慎重かつ神経質なってしまいます。
>
> また、隣の6番も大きなカリエスがある可能性もありますが、次回は根幹治療以外の方法で治療したいと思っています。AIPC(非侵襲性歯髄覆罩)という方法がある、と聞いた事があるのですがどんなものでしょうか。また海外で先生のように、3mixやMTAを用いた治療をしてくれる所を探しているのですが、3mixという名前ではヒットしません。間接覆髄法やMTAをドイツで調べるのが至難の業です。。。
> もしもご存知でしたらアドバイスお願いいたします。
【Answer 312】

根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

ドイツでどの病院に行くか迷っているようですが、それは費用、担当医との相性を考慮して決める他ないでしょう。
ただ、未処置の根管がある事が既に分かっているので、根管治療を行うという基本的方針はどこでも同じでしょう。

3MIXによる治療法は日本では行われていますが、海外では行われていないと認識しています。
そのため、3MIXによる治療法はグルーバルスタンダードとは言えません。

MTAはドイツでも使っているのではないでしょうか?調べたわけではありませんが、世界的に認識されている優れた材料です。

以上です。

 

 

 

 

310. そもそもどういう場合に根管治療が必要になるのでしょうか。

【Question 310】

右下の歯の隙間が大きくなって食物が詰まるので、
今日歯科に行ったところ、虫歯であり、根管治療が必要だと言われました。
確かに食べ物が詰まると恐らく歯茎が圧迫されて歯茎が痛くなるのですが
歯自体は痛くありません。(C2レベル?)このサイトを見て、何とか神経を残した治療ができないかと考えるようになりました。そもそもどういう場合に根管治療が必要になるのでしょうか。
よろしくお願い致します。

 

 

【Answer 310】

根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

歯髄保存治療では、虫歯を取り除き、セメントで蓋をして、歯髄炎にならないかどうか経過を見ます。
その結果、痛みが出たり、冷水痛が強く、生活に支障がある場合には、歯髄を残せないと判断し、抜髄治療を行います。逆に歯髄を残せると判断する場合は、修復治療を行います。

http://www.kenico.chew.jp/3mix/

 

レントゲンで、虫歯が歯髄に明らかに近く、歯髄炎が予想される場合には、歯髄保存を試みず、抜髄治療から始める場合もあります。
虫歯の深さも重要ですが、どの部位に発生しているかも考慮します。例えば、歯と歯の間からできる虫歯は、比較的浅くても歯髄に到達してしまう場合があります。