103.通院中の歯科での治療に不安がありますので、相談させて下さい。
【Question103】
新藤先生こんにちは。すみませんが、通院中の歯科での治療に不安がありますので、相談させて下さい。
2年前に詰め物の再治療をした左下6番が、ずっと冷たい物でしみていたのですが、時間とともに良くなるとのことでした。少しずつましにはなっていましたが、ある日突然、噛めないほどの痛みが起こり、顔も腫れたので歯科に駆け込むと、神経が死んでいると言われ、9万円のインレーを壊し、穴を開けたまま綿をつめ、膿を出している最中です。
今後は根幹治療後、ファイバーコア、セラミッククラウンで26万円請求されていますが、転院を考えています。
医師とはコミュニケーションが取れていないので、そもそも何が原因でこうなったのか、ずっと不調を訴えていたのに、こうなるしかなかったのか、ご意見をお願いいたします。お忙しいところ申し訳ありません。
【Answer 103】
2年前に治療したインレーは、おそらく虫歯が深かったのでしょう。
歯の神経の近くまで削ったことと、細菌の進入で歯の神経にダメージが起こって、歯髄炎から歯髄壊死さらに根尖性歯周炎になったと思われます。
虫歯が深い場合は待機的診断といって、一旦セメントで埋めて、しばらく様子をみることが行われます。
その結果、時間とともに良くなることもあるのですが、冷水痛などの症状が強く出る場合は、抜髄(神経をとること)を選ぶ場合もあります。
歯髄が死んでしまった場合は、なるだけ早く取り除く必要があります。そうでないと今回の場合のように化膿してしまうからです。
>ずっと不調を訴えていたのに、こうなるしかなかったのか
まず、虫歯を非常に丁寧に取ると歯髄炎を防げた可能性はあります。
http://www.kenico.chew.jp/3mix/
少なくとも、虫歯が深い場合は、冷水痛が出る可能性を考慮して待機的診断をしたほうが良かったと思います。
そして、冷水痛が続いた時点で、抜髄の可能性を患者様にお伝えするべきだったように思います。
もしかすると9万円のインレーは、歯科医の側として壊したくなかったのかもしれませんね。
次の治療は、同じ歯科医院で26万円ですか?費用はともかく、医師とコミュニケーションが取れていないと感じるなら、転院も選択に入ると思います。
穴を開けたまま綿をつめ、膿を出している治療は長期間してはいけません。治りにくい歯になってしまうので注意が必要です。