118.妻の根管治療(再治療済箇所)に関する相談です。
【Question 118】
妻の根管治療(再治療済箇所)に関する相談です。
【背景】
妻は20代後半から30代前半に左上奥2番目奥歯の
根管治療を受けました。現在40代後半ですので10年
以上も前の事です。
2010年の春にアメリカで他の歯の治療を受けた際に
左上奥2番目奥歯は根菅治療が不十分(根の先まで治療されておらず充填が不十分且つ虫歯がある)と指摘されました。
今は痛みはないが将来の事を考えて歯を治療するとなると、再根管治療出来るか又は抜歯になると言われました。
2011年の夏に2月程帰国しまして以前治療を受けたA先生が歯内療法専門医且つ”アメリカはすぐ抜きたがる、再根管治療は出来る。横の黒い影(Periapical lesion)は治療後消る”と
言われたので8月に4回通院して治療しました。
夏の終わりに再度アメリカに来てかた違和感及び腫れがあるのでアメリカ在住の日本人医師に診察して頂いたのですが
下記コメント及び事実が解り、根管治療の現状の勉強をしていく上で及びいくつかの疑問点が浮かび上がってきましたので相談させて下さい。又来年の春帰国の際診察をお願い申し上げます。尚12月21日に左上奥2番目の歯の歯茎が化膿しており
抗生物質を飲んでいます。
10月17日付けアメリカの医師のコメント:
①根の充填は不十分、黒い影(Periapical lesion)は以前より広がっている。②充填した部分の下に新たな黒い影があり問題ありそうだ。
12月21日付けアメリカの医師の化膿に関するコメント:
①3本の柱の神経以外の枝部分で問題発生の可能性
②夏の治療時に歯を突き破った可能性
③歯に亀裂が出来ている可能性
【質問】
夏のA先生の治療でいくつか疑問があります。
1)治療時はレントゲン(詰め物を取った後)を1枚しか取っていない。*半年前のレントゲン画像は当方より渡している。
健康保険治療とは言えレントゲン1枚とは枚数が少ない
2)充填が十分か歯医者はどのように確認するのでしょうか
3)A医師は根管用マイクロスコープを所有していり、顕微鏡を使用していれば、万が一治療時に歯を突き破っていれば解る状況にあるのでしょうか。*今回の化膿の原因は歯を突き破っている可能性があるとの事です。他の歯の高さからの推定ですが
4)A医師は治療時にラバーダムを装着させていませんでした。
歯内療法専門医の常識から考えると問題でしょうか。
回答よろしくお願い致します。尚、A医師はあっさりと治療の非を既におおむね認めていますが、治療時にA医師は失敗を知っていたのか手抜きがあったかを知る上でも知っておきたいと思いました。
【Answer 118】
こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。
1.レントゲン撮影は正方と偏心の2枚撮影するのが理想です。
2.根管充填の到達度を測る方法はレントゲン以外にありません。
しかし、レントゲンで正しい長さに到達しているように見えても、歯における根尖孔
を封鎖しているかはわかりません。つまり、調べる方法はないということです。
http://konkanchiryou.com/gloss/?p=301
http://konkanchiryou.com/page/02senkou.htm
3.顕微鏡を用いればほとんどのパーホレーションは確認できます。
4.ラバーダムを使うのは常識なのですが、現在の保険診療ではラバーダムの費用がありません。
もし、日本のA医師がパーホレーション(歯に穴をあけてしまうこと)をしていれば、早期に塞ぐ必要があります。
現在はMTAセメントなど、非常にすぐれた製品もあります。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=NJYouoLzT4M
根管治療はリスクの大きい治療なので、痛みの無い歯の治療が悪化したのは残念ですね。
http://www.konkanchiryou.com/page/03risk.htm
再治療を行うならアメリカの専門医に任せたほうが良かったかもしれません。日本の保険診療は安いけど質も低いのです。
【御礼】