根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

【Question 334】

一左の番奥2本が欠損しています。CTをとり、さらにXrayをとり、抜歯をした歯の隣の根幹治療をした歯のXray影があるとのことです。
> インプラントの専門意から突然、隣の歯に問題があり、どれだけこの歯が持つかわからないが現時点で右も2本の欠損があるため、(30年前の抜歯)まずは、右に1本、ショートインプラントをいれ、その1ヶ月後に左には、2本のインプラントをいれるしかない、なぜなら最後の歯に問題があるため、おそらく根幹治療をやり直すと、歯を失う可能性が高い、
> そして2本のインプラントをいれたら、10年以上もつかという質問には、”I do
> not know…let’s hope so”と。1本のインプラントは、3000ドル、プラスクラウンが2000ドル、もし2本のインプラントがこの歯のために駄目になるのであれば、もう2度とは、抜歯は、嫌と決めておりましたが、抜くしかないのでしょうか?どうぞお力をお貸しください。
>

【Answer 334】

根管治療.com の新藤健太郎です。

ドルということで、カナダ、アメリカ、オーストラリア辺りでしょうか?
欧米では、訴訟の心配や、治療費が高額である事から、可能性の低い歯を日本より早く抜歯する傾向にあります。
歯の隣の根幹治療をした歯のXray影とのことですが、やはりインプラント専門医は歯を抜いて、インプラント治療をしたがる傾向にあるため、歯内療法専門医の意見を求めるべきだと思います。
可能であれば、日本で一度見てもらうと、又違う意見が得られるかもしれません。

231.歯髄が取り残されている可能性があります

はじめまして。治療に行き詰ってしまって困っております。
宜しくお願いします。
今年はじめに右上7番が歯髄炎となり、抜髄しました。
9月に治療が終わりましたが、いまだに打診痛、時に自発痛があり、困っております。
そもそもこの歯は15年ほど噛むと痛んだり、歯茎がはれたり
出血したりしていましたが、なるべく神経はとらないという歯医者さんの方針でなんとかしのいでおりましたが、とうとう歯髄炎をおこし、抜髄しました。
しかし、抜髄をしても打診痛、時に自発痛もあり抜髄後5ヵ月ほどで根管治療専門ではありませんが、マイクロスコープを使っていただける医院に転院しました。
そこでCTをとっていただき、歯折はありませんでした。
また4本目の根管がみつかり、感染していたため処置していただきました。
先生のお話では「痛みの原因はよくわからないが、4本目の根管が原因かもしれないし、3本ある神経の横に大きな側枝があればそこは処置ができないので痛みがとれないかもしれない。また根っこの一本が曲がっているのでそこは薬で処置するしかない」ということでした。
マイクロスコープを使っていただき、処置していただきましたが、処置の際、毎回痛む箇所がありました。
そして、結局痛みは残りましたが、とりあえず様子を見るということで充填し、クラウンをつけていただきました。
しかし、3ヵ月ほどたった現在、痛みが以前としてあり、大学病医や専門医への転院も視野に入れて今後どうしたらいいか途方にくれております。
歯の痛む場所は7番全体ではなくピンポイントで、頬側の6番寄りの部分です。
また嘔吐反射が強いため、笑気麻酔をするほどではありませんが、治療は大変苦しいです。
長引く歯の不具合に少々疲れてしまっています。
どうかご教示ください。

【Answer 231】

根管治療.com の新藤健太郎です。早速ですが本題に入ります。

7番の近心頬側がピンポイントで痛むとのことで、歯髄が取り残されている
可能性があります【残髄】。「根っこの一本が曲がっているのでそこは薬で処置するしかない」とのことなので
疑いは強まります。
曲がっている根管は上手な先生だと処置できるかもしれません。
これはマイクロスコープの問題ではなく、担当医の技術に依存する処置です。

現状がしっかり根管治療されているならば、痛みが落ち着くまで1年くらい様子を見る場合もありますので
専門の先生の診察を受けたほうがいいでしょう

155.この症状は、パーフォレーションの可能性があるでしょうか?

【Question 155】

以前にも一度お世話になりました。またよろしくお願いします。
67歳、男性です。現在、昨年の心臓手術後、以前に治療し金冠がかぶせてあった歯の殆どが根に膿をもち、あちこち悪くなり、再根管治療を順次受けていますが、すでに3本抜歯しました。左下5番を2週間前から再根管治療に入りました。1回目に金冠をはずし、穴を開け消毒し薬(カルシペック?)を詰めてふたをしました。夕方になって違和感があり見てみると、歯の接している歯茎に白い小さなフィステルのようなものができていました。すぐに電話をして、たまたま予約のキャンセルがあるからとのことで受診しました。膿が結構多かったからそれがはみ出したのかも知れないし、詰め物かもしれないが、傷みもあまり無いようなので、このまま様子をみるとのことで帰されました。2日後にはその小さな膨らみは消えました。更!
1週間後に2回目の治療を受けました。薬をつめ根充し、レントゲンで確認し、「微妙だな」と先生はつぶやいておられましたが、次回もう少し薬を詰めて台つくりをしますとのことでした。夜、歯茎をみると、歯からかなり下に、5mmmくらいの真っ赤な円状で少し膨らんだものができていました。痛みはありませんでした。気がついたのが遅かったので、電話で聞けずに痛みも無かったので、翌日まで待とうと思って寝ました。翌日朝にはかなり小さくなっていましたので、様子を見ることにし、昼には完全になくなっていました。
この症状は、パーフォレーションの可能性があるでしょうか?心臓手術後体力が回復せず、現在あまり噛むところがなく、殆ど流動食しか食べられずかなりやせました。パーフォレーションだとしたら抜歯でしょうか?3本の抜歯の際かなり体力的にきつかったので心配しています。
よろしくお願いします。

【Answer 155】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

左下5番の歯付近に何らかの炎症が起こっていますね。
おそらく根尖性歯周炎ではないかと思われますが、パーフォレーションの可能性もあります。パーフォレーションの場合、必ず抜歯になるわけではないですが、早期の修復が必要になります。
昼には完全になくなっていました。とのことで、治療後の一時的な炎症かもしれません。 または、今後繰り返す炎症かもしれません。

炎症の原因ははっきりわかりません。どこかでセカンドオピニオンの診察を受けたらどうでしょう?

149.型を取る前にやはり痛いというと、ひびが入っている可能性があり…

【Question 149】

はじめまして。
よろしくお願いいたします。
今年初めから右上5番の歯を感染根管治療しています。
10年以上前に金属を詰めた歯が噛むと激痛がし、
年始だったので6日目まで抗生物質を飲んでから受診し、
根が腐りかけていたということで抜髄、
その後、根の掃除のときにも痛みがありましたが、
3回目の根の掃除のときガシッと衝撃がありました。
そのまま計5回ほど掃除して2月17日に充填(レントゲン撮影)しましたが、
その前から時々弱い痛みが走ることがあり、歯を押すと痛む(痛まない時もある)ので、
その旨を伝えましたが、そのまま進み3月初めに土台を建てました。
2週間ほどあけて、型を取る前にやはり痛いというと、ひびが入っている可能性があり、CTを撮りたいと言われましたが、様子を見ても良いともいわれ、体調不良もあってしばらく治療を休みました。
5月初めから右で噛めなくなり、(それまでは噛んでもよいと言うことだったので柔らかいものだけたまにその歯を外すように噛んでいましたが、やはりさわってしまう)押すと痛く、時々ツキンと痛む、たまにもう少し強く痛むと、不安定な状態です。
事情があって他の歯科を受診したところ、根の先に黒い影がありやり直しが必要と言われました。
充填から3ヶ月弱でこうなっているのは、やはりひびがあって感染をおこしてしまったのでしょうか?ネットで見るとCTでもわずかなひびは分からないことが多いと書いてありましたが、
歯根のひびはマイクロスコープで染め出すと分かるのでしょうか?
やり直しはマイクロスコープも使って週2回で2ヶ月ちょっとかかると言われています。このくらいかかるのは標準的でしょうか? ネットを見ると短期で治療できると謳っているところもあり治療回数が多いとその分感染の機会も増えるとも書いてありましたが・・・。
その医院はラバーダムは使わないようで、初めの医院もラバーダムは使いませんでしたが、使ってくれる医院を探すべきでしょうか? またひびがあれば治療は根管治療の専門医でないとむりでしょうか?
いろいろ質問ばかりになって申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

【Answer 149】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

>土台を入れた後、型を取る前にやはり痛いというと、ひびが入っている可能性。CTを撮りたい
ヒビが入っていると疑われるなら、土台を入れる前によく確認すべきだったと思います。

土台に金属が入っていれば、ハーレーションでCT画像の読解が難しくなります。
もっとも、微細な歯根破折をCTで確認するのはそもそも無理ですが。

>他の歯科を受診したところ、根の先に黒い影がありやり直しが必要
黒い影がある場合、やり直しが必要になる場合もありますが、そうでない場合もあるので注意が必要です。

>歯根のひびはマイクロスコープで染め出すと分かるのでしょうか?
色素がヒビに入り込み、確認しやすくなりますが、マイクロスコープであれば染め出さなくてもわかります。

>マイクロスコープも使って週2回で2ヶ月ちょっとかかると言われています。このくらいかかるのは標準的でしょうか?

ちょっと遅いとおもいます。経過観察も含めてということかもしれませんが・・・・。専門医レベルなら1、2回の治療がスタンダードです。

>ラバーダムは使わないようで、初めの医院もラバーダムは使いませんでしたが、使ってくれる医院を探すべきでしょうか?

ラバーダムは基本なので、できる限り行いたいところです。

>またひびがあれば治療は根管治療の専門医でないとむりでしょうか?

ひびがあれば、専門医だろうと予後不良でなおせないかもしれません。歯根破折は基本的に抜歯とされています。

☆ 治らない原因を探し、疑わしい可能性を1つずつ排除しなくてはなりません。ヒビでない可能性もありますので。
ドクターの診断や技術に問題があるケースもあるので、そういった場合はお聞きした話そのものの信憑性がないということになります。