根管治療専門医相談室

根管治療専門医、新藤健太郎がお答えします。

【Question 344】

> よろしくお願い致します。四年前に右下7番の根管治療をしました。(その時も痛みがでて治療が終わるまで長い時間がかかりました。)
> それからは痛みがなかったのですが、去年の八月頃から右側えらの辺りに痛みがでました。
> 歯科にてレントゲンを撮っても異常はないと言われ、内科や耳鼻科にも行きましたが特に問題はありませんでした。
> 歯をたたいても痛みはなかったのですが、エラの部分や耳の近くと段々と痛みが強くなってきたので歯科で銀の被せ物を外し数回根の掃除をしましたが痛みは変わらず、その歯科からマイクロスコープでの根管治療をしている歯科に転院しました。
>
> その歯科にてマイクロスコープを使用しての根管治療をしてもらいましたが、中が汚れていた以外には特に問題はなく最後の薬を詰める手前までいきました。
> ただその時に白い液体を塗ったところ、赤い腫れが見えたので最後の薬を詰めるのはやめて違う薬を入れてその日は終わりました。
> そこの歯科では治療後に、治療中の映像を見せてもらいながら説明してもらうのですが、確かに白い色の中から赤い腫れが見えました。
> 先生が言うには、次の診察時にこの腫れがひいてたら予定通りの薬を詰めるが、腫れがひいてなかった場合セメントのような固まる薬を入れる。ただその場合今後再治療が出来なくなると言われました。
>
> そして次の診察時に診てもらったところ腫れはひいていたので、予定通りの薬をつめてファイバーコアを入れました。
>
> それから別な事情で矯正治療をすることになり、終わるまでの一年間は仮歯を接着剤でつけた状態になっています。(正式な被せ物はしていない状態)
>
> 治療後はだいぶ痛みがひいたのですが、七月ごろからまたエラの辺りの痛みが出てきてしまいました。
>
> そこで疑問なのですが、ネット等を見ると根管治療時に穿孔があった場合は穴を塞ぐ治療をするとよく見るのですが、今回の根管治療の際に赤い腫れが見えたということは、穴が開いていたということではないのでしょうか。(腫れが見えたのは先端の少し横側。そのときに軽く穴のことを聞いたら、先端が真下じゃなくて少し横にあって、そこから腫れが見えているというようなことを言われました。ただネットで調べたら、先端に開いている根尖孔はすごく小さい穴ということなので、腫れが見えるような穴があっていいのかという疑問です。)
> 結局腫れがひいたために通常の薬を入れているので、穿孔がそのままにしてあるために今回痛みが出たのではないかと心配になっています。
> 今回治療していただいた先生が穿孔のことを知らなかったのかと考えてしまいます。
>
>
> 根管治療の際に、穿孔以外で腫れが見えることはあるのでしょうか。
> また穿孔だったとして、それをそのままにして薬を詰めた状態にしておいてもいいのでしょうか。
>
> よろしくお願い致します。
>
> —

【Answer 344】

根管治療.com の新藤健太郎です。

> 根管治療の際に、穿孔以外で腫れが見えることはあるのでしょうか。
> また穿孔だったとして、それをそのままにして薬を詰めた状態にしておいてもいいのでしょうか。

お話の限りでは、根管の中に穿孔が起こっている可能性が高そうです。
それ以外で腫れが見えることは、歯髄が残っている場合に有り得ます。
穿孔部はMTAセメントで埋めるのが最も効果的です。通常の材料で埋める場合より経過が良いです。(使用した薬が何かを担当医に聞いた方がいいですね)

 

【Question 335】

> 根管治療中に痛み出し、しびれ、下を向いたときとくに痛い、微熱が出たときもあり。
>
> もう一度根の治療をし、抗生物質、鎮痛剤を飲んでいますがあまり変わりません。痛みはあります。
> 痛みがとれなければCTをとる、とれれば治療再開と言ってました。
> 治療中、根を突き抜けたりしたのでしょうか?

【Answer 335】

根管治療.com の新藤健太郎です。

歯の部位は上顎の奥歯あたりでしょうか?
上顎だと歯性上顎洞炎
下顎だと下歯槽神経麻痺
などが考えられます。
非定性歯痛も疑われます。

痛みが取れればCTを撮影するのはどうしてでしょうか?
CTは痛みがあるときに撮っても良いはずですが。。。

【Question 329】

> はじめましてよろしくお願い致します。
> ファイバーコアを入れていた歯(被せ物はまだしていない状態)に膿が溜まっていると言われ、
> ファイバーコアを半分くらい削れ穴を開けられ治療されました。この治療は適切なものなのでしょうか。ファイバーコアを外して根管治療する事は難しかったのでしょうか。ちなみにファイバーコアを入れた歯医者と、ファイバーコアを削って治療した歯医者は違います。ご教授願えますと幸いです。よろしくお願い致します。
>

 

【Answer 329】

根管治療.com の新藤健太郎です。

コアを外す事を断念しただけではないでしょうか?
無理だと思ったら、治療を中断する先生はまだ良い方です。ファイバーコアは歯と色が近似しており、除去に注意を要します。失敗すると穿孔します。

http://konkanchiryou.com/page-556.html

もちろん根管治療が必要だと判断されれば、コアの除去あるいは外科的歯内療法を検討しなければなりません。

 

299.顎周辺の痛みが酷く心配です。

【Question 299】

自費治療でマイクロスコープがある歯科で左下5番を根幹治療しています。
・1回目神経を抜いた治療—痛みなし
・2回目更にドリルのような器具でガリガリ削られ、麻酔をしているにも
かかわらず治療中に痛みあり。このときはマイクロスコープを使用しないで治療。その後、次回の2週間後まで痛みあり。
・3回目消毒くらいの軽い治療で痛みが徐々に落ち着く。
・4回目リーマで少し削った後、水酸化カルシウムを入れる。
この後帰宅してから徐々に左下顎の痛み、顔の腫れ、リンパの痛みがあり
2日後に薬をもらいに歯科を受診しましたが、抗生物質は必要ないと言われ
仮封をとり中を消毒してもらいました。4日後の現在も顎の痛み、顔の腫れ(目立たないので本人しかわからないくらい)、リンパの痛み、熱っぽい状態が続いているのですが、骨膜炎・骨髄炎というのではないかと心配です。
2回目の治療の時に根に穴を空けられたのではないでしょうか?
先生は歯茎が腫れていないので大丈夫と言っていましたが顎周辺の痛みが酷く心配です。治療している歯と歯茎は特に痛いというわけではなくその下の骨が痛みます。

【Answer 299】

4回目の治療の後、おそらく治療の刺激が原因で、
急性化膿性根尖性歯周炎が起こってる可能性があります。
http://konkanchiryou.com/%E3%81%8A%E7%97%9B%E3%81%BF%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6.html
根管治療後の痛みを参照してください。

最悪、穴を開けられているなどの可能性もないわけではありません。
しばらく、治療を中断して、痛み止めと抗生物質を用い、顎の痛みがなくなるか経過を見てください。

266.穴が開いてたようですので詰めました、塞がるかどうか分かりません

【Question 266】

右下奥2番目の歯が、少し浮く感じがしたので(痛みはありません)近くの歯医者さんに 診てもらった所、根に膿が溜まっているので抜歯しかないと言われました。他に治療法はありませんと言われたのですが、色々調べたところ「根管治療」の事を知り、専門医に診て頂くことになりました。(ラバーダムだけでマイクロの使用はなし)冠を外し、1時間かけて治療して頂いたのですが、治療後固いものがあたると痛みがあり、1週間後には口臭(臭い汁のようなもの)を感じるようになりました。
2回目の治療の際、何かが突き刺さるような感じがあり、先生が慌てて・・「セメント」と言われ、消毒をされているようでした。
治療後も何も説明等がなく「痛みがあるのですが」とお聞きしたところ、「穴が開いてたようですので詰めました、塞がるかどうか分かりません」と言われました。塞がらない時は抜歯しかないのでしょうか?塞がっても予後の状態は変わらないのでしょうか?宜しくお願いします。

 

 【Answer 266】

根管治療.com の新藤健太郎です。早速ですが本題に入ります。

まず、アメリカの歯内療法専門医は全員顕微鏡を使用しています。
私の実感としても、現代の歯内療法領域の治療で顕微鏡は必要不可欠だと感じます。
特に穿孔部の封鎖などは、顕微鏡で見ながら行うことが有効です。
迅速に、正確に埋めれば予後は差ほど悪くありません。

そもそも、治療後に説明がないのは、良い治療とはいえません。

 

 

 

178.治療も長く触りすぎたために、根の先が崩壊しているのかもしれない

【Question 178】

ご相談させてください。

現在、左上6番(虫歯による抜随のため)、右上5番(半年前に虫歯により抜随済みでしたが、今回感染根幹のため)の根管治療をしています。

左上6番は、3月末に抜随し治療を開始、4月末に一度充填しましたが、痛みが出たため再度治療を開始しました。

その後、5回ほどリーマーなどによりお掃除を繰り返しましたが、なかなか回復しないため、自宅より遠いことなどの理由もあり、6月初旬に転院させていただきました。

転院先にて、残髄があることがわかり、お掃除を開始していただきました(週一回の通院です)。
6月末に、(打診痛や違和感は残っていましたが、)膿もなく根は随分きれいになったとのことで、一度、充填の一歩手前のお薬を詰めて3週間様子を観ました。

しかし、打診痛などが残っていたため、もう一回、お掃除をしました。

先生は、「今回かなり丁寧にお掃除しました。特によごれている感じもなく、一箇所だけ、根の先にリーマーを入れると痛みがあるようです。もしかすると治療も長く触りすぎたために、根の先が崩壊しているのかもしれない。しばらく何もせずに様子を観ましょう。」と言われまいした。

それから2週間近くたちますが、変化が見られません。。。
打診痛、軽く触れたときのゾワっとするような違和感が取れません。。。

右上5番は、転院先にて、6月初旬から治療を開始していただき、ここも残髄が見つかった後に、左と同じような治療経過をしていますが、同様に、打診痛、違和感がとれません。。。

妊娠中ということもあり、不安でたまりません。

このまま、お掃除を続けることなく、様子を観続けて良いのでしょうか?

また、先生でしたら、このようなケースをどのように判断されるでしょうか?

長くなり申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

【Answer 178】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。

>治療も長く触りすぎたために、根の先が崩壊しているのかもしれない。

左上6番は、根尖の過剰拡大で痛みが出ているのではないかと推測されます。
根尖の過剰拡大は、ほとんど穿孔(歯に穴が開いている状態)に近い状態となります。

ファイルで触れば痛むし、細菌、洗浄剤なども根尖から出やすい状態です。
時に、難治性の慢性痛になりがちです。

対策としては、水酸化カルシウム製剤を根管に入れて、一定期間安静にする。
自費診療ならMTAという優れた材料があるので、その材料で封鎖する(私はこの方法が一番お勧めです)。
などがあります。

右上5番は、解剖的に複雑な歯の構造であることも多く、根管の清掃が行き届いていないかもしれません。

いずれにしても、根管治療に対する理解&技術の浅い先生の治療を繰り返し受けると、削りすぎor削り足りない、
(削り足りないのはまだなんとかなりますが)になってしまうので注意が必要です。

155.この症状は、パーフォレーションの可能性があるでしょうか?

【Question 155】

以前にも一度お世話になりました。またよろしくお願いします。
67歳、男性です。現在、昨年の心臓手術後、以前に治療し金冠がかぶせてあった歯の殆どが根に膿をもち、あちこち悪くなり、再根管治療を順次受けていますが、すでに3本抜歯しました。左下5番を2週間前から再根管治療に入りました。1回目に金冠をはずし、穴を開け消毒し薬(カルシペック?)を詰めてふたをしました。夕方になって違和感があり見てみると、歯の接している歯茎に白い小さなフィステルのようなものができていました。すぐに電話をして、たまたま予約のキャンセルがあるからとのことで受診しました。膿が結構多かったからそれがはみ出したのかも知れないし、詰め物かもしれないが、傷みもあまり無いようなので、このまま様子をみるとのことで帰されました。2日後にはその小さな膨らみは消えました。更!
1週間後に2回目の治療を受けました。薬をつめ根充し、レントゲンで確認し、「微妙だな」と先生はつぶやいておられましたが、次回もう少し薬を詰めて台つくりをしますとのことでした。夜、歯茎をみると、歯からかなり下に、5mmmくらいの真っ赤な円状で少し膨らんだものができていました。痛みはありませんでした。気がついたのが遅かったので、電話で聞けずに痛みも無かったので、翌日まで待とうと思って寝ました。翌日朝にはかなり小さくなっていましたので、様子を見ることにし、昼には完全になくなっていました。
この症状は、パーフォレーションの可能性があるでしょうか?心臓手術後体力が回復せず、現在あまり噛むところがなく、殆ど流動食しか食べられずかなりやせました。パーフォレーションだとしたら抜歯でしょうか?3本の抜歯の際かなり体力的にきつかったので心配しています。
よろしくお願いします。

【Answer 155】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

左下5番の歯付近に何らかの炎症が起こっていますね。
おそらく根尖性歯周炎ではないかと思われますが、パーフォレーションの可能性もあります。パーフォレーションの場合、必ず抜歯になるわけではないですが、早期の修復が必要になります。
昼には完全になくなっていました。とのことで、治療後の一時的な炎症かもしれません。 または、今後繰り返す炎症かもしれません。

炎症の原因ははっきりわかりません。どこかでセカンドオピニオンの診察を受けたらどうでしょう?

145.小さい方2本の根の間に穿孔がありました。

【Question 145】

右上、奥(親知らず含めて)から3番目の歯、神経は無し(小学生の時、20数年前にとったと思います。)銀色の被せものをしてあった歯についてです。

歯茎にプクッとしたものができ、何ともないのですが半年以上あるので、診てもらうと、小さい方2本の根の間に穿孔がありました。

合成樹脂(白い物)でうめ、1ヶ月後炎症(プクッとしたもの)もなくなりました。(これは穿孔が塞がったと考えて良いのでしょうか?)

3日前再根幹治療をしたのですが、大きな根には器具が入るが、小さな根には入っていかないとの事でした。が、そのまま合成樹脂をつめ、また1ヶ月様子を見る事になりました。しかしその日の内からまた歯茎が少しプクッと腫れだし、段々大きくなってきました。どういう状況が起こっていると考えられますか。(全て保険治療です)

今治療して下さっている先生は、塞いでダメなら根を一本切ってしまうとの事でした。でも出来ればそうしたくありません。
根幹治療専門医、もしくは顕微鏡を使用する歯科に行くべきでしょうか。その際は今の先生の紹介を受けるべきでしょうか。

お忙しい中お手数かけますが、宜しくお願いします。

【Answer 145】

こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。

穿孔部の封鎖は顕微鏡のもっとも得意とする治療で、現在もっとも良い材料はMTAとされています。穿孔してから時間が経過していないケースでは予後は良好ですが、時間が経過している場合は感染と骨の吸収が進んでいる場合があり、予後不良となります。
治す可能性を求めるなら専門医が良いでしょう。