361回目のご回答から、別サイトに掲示いたします。
151.クラックから細菌が進入するので、これ以上治療するのは無駄だろうと診断され、抜歯を勧められました。
【Question 151】
オーストラリアに在住しています。治療をこちらで続けるか、日本に帰省してするか迷っています。
炎症のため激痛が続き、二日前に専門医エンドドンティストにより左下第七番の根幹治療を開始しました。クラウンを除去してみると、縦にクラックが入っているため、いずれにしろクラックから細菌が進入するので、これ以上治療するのは無駄だろうと診断され、抜歯を勧められました。痛みを抑えるため歯髄の除去はしていただきましたが根幹治療を完了せずに仮の詰め物をしていただいています。左下第6番は既に抜歯しており、左下第五番と第七番にブリッジをかけておりました。第七番を抜歯すると奥歯2本を失うことになってしまいます。
質問は:
(a)色々読むと、根幹治療は専門家による慎重な処置が必要、というのはよく分かったのですが、いずれ抜歯することになる歯であれば、それを覚悟で、高額な専門家による根幹治療はせずに、日本の保険範囲内でブリッジをかけなおす、という案は無謀でしょうか。
(b)今第6番がない状態で数ヶ月、あるいは数年放置することにより、歯並びがどんどん悪化するでしょうか。もし急を要するようであれば帰国を早めなければなりません。
(c)もしご存知であれば日本とオーストラリアの歯科技術の優位をお知らせ下さいますか。
以上お答えいただけたら幸甚でございます。
【Answer 151】
こんにちは、根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。
(a)一時的にそういう治しかたをするのは構いませんが、7番の骨がなくなってしまう恐れもあります。その場合インプラントが困難になります。
(b)放置することにより、歯並びの乱れ、かみ合わせの乱れが起こります。
(c)よく分かりませんが、おそらく欧米先進国と同等と思います。
費用面を考慮しなければ、6番、7番のインプラント治療を検討なさってはどうでしょうか
79.私は歯科が怖くて通えなくなっています。
【Question 79】
私は歯科が怖くて通えなくなっています。
3年前に行ってた歯科で荒治療をされたり、虫歯の治療をしたのに、数か月で詰め物がとれたり、今まで食べ物が詰まらなかったのに、左上2番3番歯頸部に詰めて詰まるようになったりした経験からです。
私は生まれつき歯の質が弱いらしく、20代前半に通ってた歯科の先生から気を付けるようにと言われていました。20代前半から上下奥歯に入れ歯を入れています。その時に右上4番5番を抜髄し、連結のかぶせものをしました。
そして3年前に行ってた歯科医院で、「根っこが膿んでるので、この歯も抜かないといけない」と言われ、これ以上入れ歯になりたくないという恐怖感と歯科への不信感から、それ以来歯科には行ってません。歯科に通って悪くされたとの思いもあり、どこの歯科に行って良いものかわからず、行きませんでした。
その後まもなく連結された歯は抜け、今は右上は残根歯も一部抜けて黒くなってしまい、残っている残根歯も少しぐらついてます。入れ歯も、バネが気になってその後つけなくなりました。
もうこんな状態になっている歯は、抜いて入れ歯にしなくてはいけないのでしょうか?根幹治療をして、また歯を入れるのは無理でしょうか?
今ではすぐに歯科に行かなかった事を、すごく後悔しています。
もう無理だと思いますが、思い切り笑えたり、何でも食べれるようになりたいです。
2、3日前に上顎全体の歯茎がはれ上がり、出血が止まりませんでした。今はだいぶはれは引きましたが、奥歯の歯頸部が痛いです。
金銭的に余裕があまりないので保険治療しかできませんが、アドバイスの程、よろしくお願いいたします。
【Answer 079】
根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。
こんにちは
どういう治療をするかという問題より、治療が怖いことが重大なようですね。
どちらにお住まいか存じませんが、歯科恐怖症の方に、静脈内鎮静法という全身麻酔に近い麻酔をして、治療を行ってくれる病院に行くことができれば一番いいかと思います。歯科大学が良いでしょう。根幹治療を行って残せる歯は、できるだけ残してくれるように伝えてください。
一般に歯科は治療を中断すると、余計に悪い事態になります。
ご自分としてできることは、歯みがきをしっかり行い、これ以上悪くしないようにすることです。
66.根管が見つかりません(長編)
【Question 66】
part1
13年前に左下の親知らずの前の歯2本がないので金で保険外のブリッジを作り、親知らずを支えにしています。2年前に親知らずが眠れないほど痛み出したので、ブリッジに穴をあけて神経をとりました。穴をあけると血が噴き出してきたそうなので炎症をおこしていたみたいです。そのあと消毒、薬をつめたりしてプラスチックでふたをしました。それで痛みはなくなっていたのですが、10月頃からまた痛み出したので、ふたをあけて消毒したり、神経をミイラ化する薬を使ったり、レーザーをあてても効果はなく、ブリッジを外すこともできず我慢するしかないと言われたので、大学病院にいきました。大学病院ではレントゲンの結果、神経が3本あり1本は処理されているが、処理されていない神経が腐ってきて!
いて膿も少したまってきているので掃除しなければならないと言われました。それで、ブリッジをもう少し削って治療を始めたのですが、1時間かけても神経がみつかりません。マイクロスコープなども使わず肉眼だけでみつかるものでしょうか。また来週に1時間かけて治療する予定なのですが、みつからないで、削ってばかりで最後歯がボロボロになるのではないかと不安に思っています。痛みも最近では時々痛いだけで我慢できないほどではなくなってきているので、治療をせず薬をつめてふさぐほうがいいのではないかと思っています。膿がある腐った神経をほっておいたら他の血管に細菌が回って体に悪くなるのでしょうか。それとも痛みが軽かったらそのままにしておいたほうがよいのでしょうか。長くなりましたが、!
ろしくお願いします。
part2
この間神経がみつからないことでメール相談したものです。早速のご返答どうもありがとうございました。またお聞きしたいことがあるのですが。大学病院ではすぐには神経が見つからないことはよくあることだし、マイクロスコープよりも手の感覚が大事とか言われたのですが。すぐにみつかればよいが、なかなか見つからず、神経を見つけるために削りすぎて、結局ブリッジや歯を壊すことにならないかと心配です。やはり保険外でしているような歯医者にいったほうがよいのでしょうか。といってもインターネットでしかみていないのでどんな感じかはわからないのですが。痛みがだいぶ楽になったので、このまま塞いだ場合、膿が大きくなって骨をとかしたりすることはあるのでしょうか。痛みが楽になったのは一!
時的なものなのでしょうか。根の中ではどんどん悪くなっていくのでしょうか。ブリッジの支えがだいぶ削られているのですが、プラスチック?みたいなものでふたをすれば強度的には大丈夫なのでしょうか。何度も質問して申し訳ありません。よろしければご返答ください。
part3
ブリッジの支えの左下親知らずの根幹治療について何回か相談したものです。その親知らずには2つ神経があるらしく、一つが2回各1時間ほど治療がありましたが、みつかりませんでした。それらしいところはあるので、もう少し削ったら見つかるかもしれないが、歯の二股に分かれている近くにあるので、削れば歯が壊れてしまうかもしれないので削らないほうがよく、このまま見つからなければ、抗生物質などで痛みをとるしかないといわれました。やはり削らないほうがよいのでしょうか。それと、マイクロスコープでは親知らずは見えないので使えないと言われたのですが。何度も質問して申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
【Answer 066】
根管治療.com の新藤健太郎です。
早速ですが本題に入ります。
part1
まず、親知らずの根管治療は基本的に難しいです。その理由は、根管の形が複雑だからです。
ブリッジを外さずに治療をしているのも、治療を難しくしていると考えられます。
神経の入り口(根管口)が見つからない事はよくありますが、顕微鏡を使ったほうがもちろん発見率は高いです。
それと、大学病院の場合は、研修施設でもあることから、若く経験の少ないドクターが多く、治療が進みにくいこともしばしばあります。
お痛みが楽になってきているとの事で、このまま塞いでしまうことも選択肢に入りますが、膿、根尖病巣がある場合は、根管治療を行うことが基本です。熟練した術者が顕微鏡の使用をするのが理想的です。
腐った神経を放置し他の血管に細菌が回って体に悪くなる可能性は低いので、菌血症、敗血症はあまり気にしなくて良いと思いますが、高齢者の場合は感染源がないほうが全身的な問題は起こりにくいとされています。
part2
「マイクロスコープよりも手の感覚が大事とか言われた」
手の感覚が大事なことに異論はありませんが、見つからない神経の入り口は石灰化している可能性が高く、顕微鏡で覗きながら、石灰化した部位を超音波チップで削り、根管を探すのが現代の治療です。
http://xn--v6qp5bu1pjtqgubwx0axs5c.jp/?cat=3 (根管口の探索)
「神経を見つけるために削りすぎて、結局ブリッジや歯を壊すことにならないかと心配です。」
心配だと思います。
「やはり保険外でしているような歯医者にいったほうがよいのでしょうか。」
腕がいい先生に診てもらったほうがいいのは一般的な事実です。
「このまま塞いだ場合、膿が大きくなって骨をとかしたりすることはあるのでしょうか。痛みが楽になったのは一時的なものなのでしょうか。」
そのまま塞ぐのも手ですね。歯に穴が開いたり、薄くなるのは心配です。下手な先生がいじくると余計に状態が悪くなることは十分考えられます。
根尖性歯周炎は、慢性状態から時に急性状態になります。完治しない限り、また痛くなることはあるでしょう。
「プラスチック?みたいなものでふたをすれば強度的には大丈夫なのでしょうか。」
クラウンの上から穴を開けていると思うのですが、ブリッジの強度はやはり落ちます。
しかし、臨床的に問題なく使える場合もあります。
part3
「マイクロスコープでは親知らずは見えないので使えないと言われた」とのことですが、マイクロスコープがあるのに使わないのでしょうか?親知らずだから見えないという話は聞いたことはありません。
マイクロスコープが使えない、使ったことがない、歯内療法の専門でもない先生にこれ以上危険な治療はさせないほうがいいと思います。
いまの先生ならこのまま被せる。
専門医なら顕微鏡を使用しもう一度探してもらう。
という2択です。